オフセット印刷とデジタル(オンデマンド)印刷の違いについて

最近、よくデジタル印刷(オンデマンド印刷)というワードが聞かれるようになりました。一般的なオフセット印刷との違いがいまひとつわからない?

今回は、そんな疑問を解説したいと思います。

 

 

 

 オフセット印刷には版が必要

 

よく聞かれるオフセット印刷というのは、世界で最もポピュラーな印刷方式です。製版という作業を通じて、色毎に版と呼ばれるものを作成し1色ずつ印刷を行う方法です。非常に綺麗な印刷ができる事が特徴ですが、1色に1枚物理的な版の製造、セットが必要で、色が安定するまでに試し刷りを行う必要があることから、小ロットの製造には向いていません。

 

 デジタル印刷(オンデマンド印刷)は、版なし印刷

 

最近聞かれるようになったデジタル印刷(オンデマンド印刷)とは、先ほど説明したオフセット印刷が1色ごとに版が必要な方法なのに対し、デジタルの技術により版が不要な印刷方式となります。デジタル印刷にもいくつかの印刷方式があり、主流の印刷方式は家庭用でも使われる①インクジェット方式と、オフィスのプリンターなどにも使用されているレーザー技術を利用した、②レーザープリンター方式となります。

 

インクジェット方式とレーザープリンター方式は、印刷技術そのものが大きく違うのですが版がないという点では共通しています。物理的な版がありませんから家庭用のインクジェットプリンターで、年賀状などで宛名を刷るように1枚ごとに違う絵柄での印刷が可能です。オフセット印刷と比べたメリットとしては、

 

①版がないため版を製造するコストがかからない

②試し刷りのようなものが不要なため無駄な用紙を必要としない

③年賀状の宛名印刷のような1枚ごとに内容を変えた印刷が可能

④物理的な工数が少ないため短納期対応が可能

 

などのメリットがあります。一方で、

 

①印刷スピードに限界があり数量が多くなるとオフセット印刷のほうが安くなる

②使用できるサイズに限界があり、大きいサイズの印刷ができない

③搬送がベルト方式のものが多いため1㎜弱のズレがでる可能性がある

 

ということがあげられます。しかし、デジタル印刷(オンデマンド印刷)は、スピードについても改良がくわえられているほか、現在ではB2サイズまでのものが発売されており、数年後にはB1サイズまで拡大する見込みです。搬送方式もずれのないものが出るなど日進月歩で技術開発が進んでいます。

 

 印刷の品質に違いはあるの?

 

印刷方式の選択時に最も心配になるのはきれいに印刷ができるかどうかだと思います。しかし、デジタル印刷(オンデマンド印刷)では、印刷の美しさでは既にオフセット印刷と同等もしくは、オフセット印刷を凌駕する品質での印刷が可能となっており印刷方式による品質の差は心配する事はなくなりました。そのため、基本的な考え方としては、数量の少ないものはデジタル印刷(オンデマンド印刷)がお得で、数量が多くなる場合はオフセット印刷を利用するのが賢い選択と言えるでしょう。ただし、デジタル印刷(オンデマンド印刷)では、基本的にフルカラー4色での再現が基本となるため、鮮やかな色彩や金色、銀色、決まった色を安定して出力する特色対応は苦手といえる分野です。そうした特殊な印刷を行う場合には数量が少なくてもオフセット印刷を選択するのが無難といえます。