紙箱のコスト構造を調べてみた!

日常的に紙箱(紙パッケージ、美粧段ボール、貼箱)を購入する大手業者でもない限り、なかなか購入する機会の少ない紙箱。発注したくてもコストや納期が不安で、価格が適正かどうかもわからず不安な方が多いのではないでしょうか?

 

 

そんな疑問、不安を払拭するべく、今回は紙箱のコスト構造を調べてみました。

 

 紙箱といっても種類は多岐にわたる

 

紙箱にも、主に印刷紙器や化粧箱と呼ばれるお菓子のパッケージなどに使用される一般的な①印刷紙器、和菓子や宝飾品、ギフトに使用される高級感のある②貼箱、段ボールに貼り合わせて作成する中身の保護や耐重量に優れた③美粧段ボール箱、合紙パッケージとよばれる紙箱、円形の④紙管と呼ばれる箱など多岐にわたります。今回は一般的に使用される、印刷紙器(化粧箱、紙パッケージ)のコスト構造について解説します。

 

 紙箱の見積もりは工程別工賃の積み上げ制

 

箱をつくるための工程には、①設計②印刷/表面加工③抜き加工④貼り加工という4工程があります。

 

箱の見積もりはこの工程ごとに設定された工賃と原材料である⑤原紙代金⑥インク代金に加えて、⑦製版代(校正価格)⑧木型代といった初期費用の積み上げ制になっているのです。

そこで、一般的な印刷紙器の項目ごとの金額構成比を調べてみました。

 

費用の最も大きい30%の割合を占めるのが原紙価格となります。続いて印刷/表面加工工程費用が25抜き費用、貼り費用がそれぞれ6となっている。そして、意外とかかるのが初期費用である校正代(12%)と木型代(20%)で合計で約30となっています。

 

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紙箱のコスト構成比(初期費用込み)〉

この30%を占める木型、校正代というのは初回にのみかかる費用であり、それを除いた箱を製造するコストだけをとると下記のとおりとなります。

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紙箱のコスト構成比(初期費用除き)

 

つまり、紙箱自体のコストは原紙代金と印刷費用で80を占めており、価格を決めるポイントは「どんな用紙を使用」して、「どんな印刷をするのか」が大切だということが分かります。

各工程の費用削減のポイントなどは別コラムにてまとめますので、ここでは主要な用紙、印刷/表面加工について簡単に説明をします。

 

 紙箱の用紙の種類(選定と価格について)

 

前述のとおり原紙価格は全体の約30%を占める部分で、原紙の選択はコスト、クォリティの両面で最も大切な選択となります。一般的に紙箱に使用されているのは裏がネズミ色である事から裏ネズと呼ばれるコートボールです。その他、コートボールよりも少しランクが上で裏が白いカードB、古紙を使用しないカードA、高級な箱などに使用される風合いが特徴の、他の高級紙、特別な用紙(アルミ蒸着紙など)があります。

 

コストではグレードが上がるほど、紙を厚くするほど価格が上がっていきます。つまり、安い順番に

コートボール<カードB<カードA<特殊紙

となります。箱の用途に合わせて用紙グレードを選択しましょう。

 

コートボール:お菓子などの箱に使用される最も一般的な用紙です。古紙を使用しているため裏がねずみ色になっており高級感は演出できませんが最もコストが安い用紙です。日本の用紙は品質がいいですから印刷が極端に汚くなるということもありません。

主な用紙銘柄:マリコート、UFコート

 

カードB:コートボールのワンランク上の用紙で、紙の裏側も白く塗工している用紙となります。表裏ともに白いためコートボールに比べて高級感が出ることが特徴です。ただし、裏面は印刷適性があるところまでは加工されていないため両面印刷をしないものに使用するのが一般的です。

主な用紙銘柄:NewDV、Newピジョン、JETエースW

 

カードA:カードBよりもさらにランクが高い用紙で、古紙を使用しないで両面に印刷適性を持たせている用紙となります。化粧品や高級な商品に使用するのが一般的です。

主な用紙銘柄:ウルトラH、ユニフェイスW、サンカード

 

その他:カードAよりも更に高級感のある用紙や和紙、耐油紙など箱に使用される紙は多岐にわたります。

上記の、コートボール、カードB、カードAの銘柄で一般的な用途はカバーができていると思います。

 

 印刷のコストを決める要因とは?

 

印刷工程はその名の通り、用紙に印刷を行う工程であり、見た目にかかわる工程である事から最も重要な工程といっても過言ではありません。

この印刷工程のコストを決める大きな要素が色数です。印刷は通常写真などの絵柄を印刷するのにCMYKと呼ばれる4色を使用して再現を行います。4色使用するということは、印刷機に4枚の版を使用するという事であり、それだけセットや色の調整に時間がかかることになります。コストを下げるには、4色より3色、3色より2色のほうが安くなることになりますので、作成したい箱のクォリティに合わせた色数を選定する事が大切です。

尚、デジタル印刷と呼ばれるデジタル印刷には版がありませんので、一般的にはフルカラー印刷と呼ばれる4色印刷か、1色印刷のどちらかで印刷します。価格についてはオフセット印刷と同じで4色印刷の方が1色印刷よりも高くなります。

〉関連コンテンツ「オフセット印刷とデジタル印刷(オンデマンド印刷)の違い」

 

 表面加工工程とは

 

紙箱には配送時の揺れなどで印刷が汚れないように必ず表面加工を行う必要があります。表面加工には、一般的に使用される微光沢のOPニス、水性ニス、マット感を出すマットOPニス、マット水性ニス、光沢を出すためのUVコート、PP貼り、プレスコートといった加工が一般的です。

コストとしては

OPニス<マットOPニス<UVコート<PP(グロス)<PP(マット)

となります。特別な希望がなければOPニス(微光沢)を選択するのが一般的です。

以上、印刷紙器(紙箱、紙パッケージ)のコスト構造について調べてみました。 

 

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